部門研究

人文科学・社会科学との連携も含めた広い領域にわたる総合的自然科学分野および学際的研究分野に関して、同志社大学の全学的な研究資源を活用した研究として、以下の5つの分野の研究テーマを募集し、1つの分野につき1件の部門研究を設置しています(必ずしも5件の部門研究を設置するわけではありません)。

  • 地球資源と環境/エネルギー分野
  • グローバルおよび地域の歴史と自然環境に関する分野
  • 現代社会と自然・人文科学に関する分野
  • バイオサイエンス分野
  • ライフサイエンス分野
研究期間
2年間
研究テーマ
現在は次のテーマで研究が進められています。

ハリス理化学研究所 第10期(2021~2022年度)部門研究

A部門

研究テーマシミュレーション科学による未来エネルギーと地球資源活用
代表者和田 元(理工学部)
概要宇宙太陽光や核融合など、未来エネルギーの活用には放射線損傷問題の解決が不可避であり、シミュレーション計算に基いた寿命予測と、最適化設計が行われている。また、地球資源や二酸化炭素放出等の資源循環シナリオを立てる上で、大規模シミュレーションモデルの構築が急務となっている。本部門研究では、理学・工学・生命科学・文化情報・健康科学等の学術領域を横断した意見交換にもとづき、シミュレーション科学研究の展開可能性を拡げる。

B部門

研究テーマ研究と政策の乖離 -成果とアカウンタビリティの齟齬-
代表者山谷 清志(政策学部)
概要この部門研究の狙いは、科学技術政策において近年あらわとなってきた政策と科学(サイエンス)、それぞれの立場における考え方の乖離や齟齬について事例を調査し、文系と理系、科学と政治(政府)、そして研究者と市民との関係をアカウンタビリティの視点から再検討することにある。本部門研究では、ライフサイエンス分野と宇宙政策をはじめとする各種の研究領域における研究開発の実態と政策の展開を調査分析する。本部門研究に参加する場合には、定例研究会への出席や研究報告にくわえて、文理融合の視点から研究教育活動に継続的に従事していることが求められる。

C部門

研究テーマバイオミネラリゼーションを規範とする新規有機-無機ハイブリッド材料の開発
代表者大江 洋平(生命医科学部)
概要本部門研究では、有機合成化学、高分子化学、セラミックス化学を専門とする研究者が、①適切な官能基と疎水性を有するモノマーの設計・合成、②官能基配列が高度に制御された高分子材料の合成、③得られた高分子材料を用いるヒドロキシアパタイト結晶化および結晶の特性評価の三つのサブテーマに協同して取り組み、新規バイオインスパイアード有機―無機複合材料の開発を目指す。参加研究者は、いずれかのサブテーマにおいて分担研究を遂行し、グループ内での成果報告を行うとともに研究成果の論文発表を目指す。


D部門

研究テーマアミロイドβの産生・遊離を抑制する新規アルツハイマー病治療薬の開発
代表者髙橋 美帆(生命医科学部)
概要我々は、多量体構造を形成した標的に対し高親和性結合するペプチド性化合物を同定する技術、多価型ペプチドライブラリー法を開発している。本部門では、本法を用い、多量体を形成するアミロイドβ(Aβ)を標的としてAβの産生・細胞外への遊離を抑制する新規アルツハイマー病治療薬の創製を目標とする。参加者は、ペプチド創薬研究、細胞内小胞輸送機構に関わる生化学的、細胞生物学的研究を共同で進めることとする。