もっと知ってもらいたい!「ハリス理化学研究所」
「ハリス理化学研究所」は、上記の経緯を経て、唯一の京田辺キャンパスに設置されている同志社大学附置研究所です(*1)。
「ハリス理化学研究所」は、科学的視点をもった総合的な人間性を育むこと、すなわち「すべての能力を円満に達成せしむること」、を念頭においた人物養成を通して、自然科学全般の様々な領域・接点で関係してくる高度な教育と研究を遂行することを目的とします。活動の根底には、同志社設立の理念から、次の3つの視点が反影されるような自然科学研究領域が想定されています。a)国際的視点(国際主義のもと、国際社会、グローバル化等をキーワードにした研究)、b)創造的視点(自由主義のもと、自由、創造、未来等をキーワードにした研究)、c)人間的視点(キリスト教主義のもと、人、身体、心等をキーワードにした研究)。上記目的と研究領域にそって、必ずしも投資・拡大・競争の原理に捕われることなく、育成・創造・切瑳のなかから芽生えてくるような研究を意識していることも特徴のひとつです。
京田辺キャンパスの6学部と6研究科が参加し、「先端技術・情報・生命・身体・心・コミュニケーション」をキーワードに、幅広い研究テーマを展開しています。学部・研究科間の情報交流、人的交流、学内外との共同研究、および学外資金導入などに取り組んでおり、京田辺キャンパスにおいて、様々な研究センターが設立される素地を生み出しています。また、科学の真の発展には、依存、模倣、追従ではなく、豊かな創造性と独創性が要求されます。創造性と独創性の重視、これが同志社の科学教育と研究の根幹を成しています。「ハリス理化学研究所」は、京田辺キャンパスにあってその中心的役割を担っていきます。
「ハリス理化学研究所」は、創造性と独創性の視点から、学生諸氏の研究活動の活性化にも力を注いできました。「加藤・山崎記念寄付金研究奨励金」が、創造的かつ独創的な研究に挑戦する学生に給付され、常に若者を励まし、勇気づけています(*2)。「創造科学教育夏期研修」(軽井沢)は、1957年にはじまり、山崎舜平氏(1967年大学院工学研究科修士課程修了)をはじめ優秀な人物を輩出しながら、現在まで継続されています。これらの学生支援活動は、約半世紀前の当初より留学生にも広く門戸を開き、現在のグローバル教育の礎となっています。
- (*1)同志社大学には、「人文学研究所」、「アメリカ研究所」、「ハリス理化学研究所」の3つの大学附置研究所があります。
- (*2)加藤与五郎先生は1872年生まれで「ハリス理化学校」の卒業生であり、1944年に現理工学部の前身である工業専門学校の開校に尽力され、1957年には文化功労者となられました。また、山﨑舜平氏(工学博士)は、加藤先生の創造科学教育の忠実な継承者として活躍され、半導体エネルギー研究所の社長をなされ、個人の特許取得件数世界一としてその業績はギネスブックに認定されています。
ハリス理化学研究所 Creative Hill(創造の丘)としての京田辺キャンパス 同志社の科学教育と研究の歴史 もっと知ってもらいたい!「ハリス理化学研究所」 将来への取り組み 追記 所長よりひとこと |