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お知らせ

炭素表面での炭化物の形成機構を発見!ハリス理化学研究所 鈴木祐太助教らの論文がChemical Engineering Journal誌に掲載されました。

2024年6月21日 更新


basal (101835)


 炭素表面での陽イオンの電気化学的な反応機構として、これまではリチウムイオン電池などに代表されるように、グラファイト構造の層間での反応(インタカレーション反応)がよく知られていました。今回、鈴木助教らの研究によって、グラファイト層間ではなく、炭素六員環構造の表面にあたるグラファイトBasal面において選択的にカルシウムイオンが反応し、炭化物(炭化カルシウム)が形成されることが新たに発見されました。

 炭化カルシウムは、水との反応により容易にアセチレンを生成します。アセチレンは溶接や樹脂合成プロセスにおける原料として広く産業利用される物質です。この研究では、二酸化炭素を分解することで炭素に変換し、その炭素上での電気化学的な反応により炭化カルシウムを得るプロセスを提唱しています。すなわち、二酸化炭素からアセチレンを合成するカーボンリサイクル技術です。本研究で得られた知見は、二酸化炭素の有効利用法として貢献するだけでなく、炭素材料の新たな活用法を拓くための基礎知見として波及することが期待されます。

 本研究成果は、化学工学系の国際科学誌Chemical Engineering Journalに2024年6月11日付でオンライン公開されました。

論文題目
 High-efficient acetylene synthesis by selective electrochemical formation of CO2-derived CaC2

筆頭著者
 鈴木 祐太(ハリス理化学研究所 助教)

責任著者
 後藤 琢也(理工学部 教授)

関連情報 High-efficient acetylene synthesis by selective electrochemical formation of CO2-derived CaC2

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